[メイン2] ブリジット : そんなわけで始まりました!美咲さんの行方探し!

[メイン2] ブリジット : 夏目くんの言う通り、二人だけでは少し、骨が折れるかもなので!
それに、いっぱい協力してくれる方がいた方が
より困難は、解決しやすい!ので……。

[メイン2] ブリジット : 「こ~ん~に~ち~は~~~~~!!」
秘密子ちゃんのおうちをピンポン連打しながら、大きな声で叫ぶ。

[メイン2] ブリジット : 「ウチですよ~~~!!ブリジット!!お~~~~~い!!」

[メイン2] ブリジット : ピーンポーン!ピーンポーン!ピーンポーン!ピーンポーン!

[メイン2] 夢野 秘密子 : !?!?!?!?!?

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「き……聞こえておる!! 聞こえておるから待たんか!!」

[メイン2] ブリジット : 「あっ!秘密子ちゃんだ!」

[メイン2] ブリジット : 見つけて、嬉しそうに顔を明るくさせる。
そして、ぶんぶんぶん!と手を振りながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : がちゃり、扉を開けながら……街中でも目立つような黒い魔術帽のかぶりをだるそうに上げて、紅色の髪の少女が答える。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「んあ……名乗る前から、こんなことするのはお主しかおらんわい…ブリジット」

[メイン2] ブリジット : 「ふっふっふ!大道芸人は目立ってナンボ、ですからね!」
ウインクし、決め顔、決めポーズしながら。

[メイン2] ブリジット : 「それにしても相変わらずナイスなお帽子ですね!」

[メイン2] ブリジット : 一歩近寄り、秘密子の顔を覗き込みながら、にこっ!と笑い。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……。」
ぴょい、と小動物のように小さく飛び下がる。

[メイン2] ブリジット : ……すすすっ。

[メイン2] ブリジット : すり足で、近づいてみる。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「当然じゃ。この帽子あってこそ、うちの魔法は100%発揮されるものじゃからな……世の中の連中はマジックやら何やら託けて、理解してはくれんが……」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「音もなく近付くでない! ウチはお主の獲物か!」

[メイン2] ブリジット : 「この前の文化祭の時も、とーっても助かっちゃいましたからね!
 秘密子ちゃんの……トクベツな、"魔法"のおかげで!」

[メイン2] ブリジット : 現代の常識から考えれば、魔法などこの世にあるわけがない。
誰が聞いても、そういう設定で遊んでる学生なんだろう、と
そう思われても不思議ではないのだが、ブリジットは違った。

[メイン2] ブリジット : 純粋に、秘密子が繰り出す魔術に魅了され
そしてそれを、ただ純粋に賞賛している。
そこを疑うことに、ブリジットにとっては何の意味も無かった。

[メイン2] ブリジット : 「ふっふっふ、獲物だったらどうします~?」
目を細め、ニヤニヤとしながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……。」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……んぁ……そこまで本当のことを言われちゃ、ウチも悪い気はせんが……」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 嫌がる素振りを見せてはいるものの、秘密子にとってそれは嫌悪感から来るものではなかった。
……まあ、多少の面倒さは否定できないものの……ブリジットは自分の姿を正面から見てくれる数少ない相手であったわけで、不思議な居心地の良さもあった。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「やめい!?」
「……そっ、それより……ウチに何の用じゃ。よもやウチとウチの帽子を褒めるためにわざわざ訪れたわけではあるまい」

[メイン2] ブリジット : 「ふふふ、ウチ、秘密子ちゃんのそういう
 なんやかんやで相談に乗ってくれるところ、好きですよ」
にこり!と笑いながら、秘密子の鼻を細い指で、つんっ!と触りつつ。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ふぐっ!?」

[メイン2] ブリジット : 「そして、そのとーり!話が早くて助かっちゃいますね!
 ……と、いうのもですけど、この前文化祭で一緒に芸を披露した時に
 セッティングやら何やらをやってくれた美咲さん、いるじゃないですか?」

[メイン2] ブリジット : 「実は─────」
そして秘密子にも、事情を話す。

[メイン2] 夢野 秘密子 :

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「────成程の。それでウチの魔法で美咲を探し当る手助けにしよう、と……つまりはそんな感じのことか?」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 黒い魔術帽の先をつん、つん……と引っ張りながら、ブリジットに向き直る。

[メイン2] ブリジット : こくりと頷いて。

[メイン2] ブリジット : 「ウチも夏目くんも、おめめは2つずつしかありませんから!」

[メイン2] ブリジット : 「ここはもう~~~……秘密子ちゃんの魔法に頼らなくちゃ、ですよ!」

[メイン2] ブリジット : そして、手のひらを見せると、閉じる。

[メイン2] ブリジット : しばらくして、開くと─────飴玉がそこに。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「やめいやめい、ウチを褒めても国旗か鳩くらいしか……んあ?」

[メイン2] ブリジット : 「手伝ってくれましたら、あげちゃいます!」
にこっ!と笑って。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 手のひらの上の飴玉をまじまじと眺めたのち、再びブリジットの方へ目を向ける。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………。そうじゃの……重労働の腰は重いが、他ならぬお主の頼みじゃし……それに、ウチも美咲には普段から世話になっとるからの。」

[メイン2] ブリジット : 目が合って、優しく見つめ。

[メイン2] ブリジット : 「……!……秘密子ちゃん……!」

[メイン2] ブリジット : きっと、秘密子ちゃんにとっては何も得られるものはない相談。
お金が貰えるわけでもなければ、賞賛が得られるものですらない。

[メイン2] ブリジット : それでも引き受けてくれる秘密子ちゃん。

[メイン2] ブリジット : 「……ふふ、やっぱり秘密子ちゃんは、優しいですね!」

[メイン2] ブリジット : 手のひらの中にある飴玉を指先でコロコロと、器用に転がすと。

[メイン2] ブリジット : すっ、と秘密子の唇にそれを乗せ、押し当てる。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「むぐっ……」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 口の中でコロコロと転がしながら。
「……ま、元々お主が率先して始めたことじゃろ。ウチはお主ほどお人好しじゃないぞ」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……でも、今度からはウチを飴で釣るのはよさんか! ウチが飴玉ひとつで動く人間みたいじゃろう!」

[メイン2] ブリジット : 「え~~~!じゃあもう飴玉、いらないですか?」
がーん!と残念そうな顔をしながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「それはいるが!!」

[メイン2] ブリジット : 「やった~!」
思わず、秘密子の頭をなでなでしながら。

[メイン2] ブリジット : そのまま、秘密子の腕を取り、強すぎない程度の力で引っ張り。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ぬぅぅ……」

[メイン2] ブリジット : 「─────それじゃあ、行きましょうか!
 それに、人が良いのは、きっと秘密子ちゃんの方ですし
 ウチは、ただのワガママトリッカーですよ」

[メイン2] ブリジット : 「"自由"に生きることは、自分だけじゃなく
 みんなが、そうあってなくちゃ、本当の自由じゃない」

[メイン2] ブリジット : 「こういうことができるのも、秘密子ちゃんあってこそ……かな?」

[メイン2] ブリジット : 「なんちゃって!」

[メイン2] ブリジット : えへへ!と悪戯な笑顔を見せながら、ぱたぱた!と強引気味に
秘密子を連れて、道を小走りに渡っていく。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………。」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……よく言うわい。『こういうことができるの』は……ウチの台詞じゃ」

[メイン2] 夢野 秘密子 : ぽろり、ブリジットに聞こえないように呟いて、引きずられないように小さく走る。

[メイン2] 夢野 秘密子 :

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット : ─────そうしてウチらは、美咲さんが通勤する会社へとお顔を出すことにしました。
夏目くんからのメールで、どうやら美咲さんはおうちにはいない、とのことで……。

[メイン2] ブリジット : そ、それなら、もしかして……お仕事に追われまくってる!?
そんな心配も浮かんでしまい
それならと、一緒に手伝っちゃおう!というような方針を立てながら。

[メイン2] ブリジット : 「すみませ~ん!ウチ、ブリジットって言います!
 こっちの可愛い子は、秘密子ちゃんです!」

[メイン2] ブリジット : 受付の人に、元気よく自己紹介!

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「なっ……!?」
「……そ、そうじゃ。こっちの可愛いんが超高校級の魔法使い、夢野秘密子じゃ」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 対して、少し消極的な感じで。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……して、こちらに小林 美咲という者が勤めておると聞いておるが」

[メイン2] 会社員 : 「はい。たしかに小林美咲は当社におりますが…」

[メイン2] ブリジット : 「……が?」

[メイン2] ブリジット : 心配そうな顔になり、言葉の続きを待つように
そして、「が」という言葉に反応するように、首を傾げて。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……話題沸騰中の奇術コンビが乗り込んだんじゃ、言葉が途切れるのも致し方あるまい」
ブリジットの方に囁いて、続ける。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ウチら、その小林 美咲と急に連絡が取れんようになって……それで、心配になってそやつの勤務地に来たんじゃが……」
「……こちらには来ておらんか?」

[メイン2] ブリジット : 「おっ、それでしたら後でサインをしてあげなくちゃ、ですねっ!」
秘密子の耳元で、こしょこしょと小さな声で会話をしながら。

[メイン2] 会社員 : 少し言いづらそうにしながら
「…15日に普段通り退勤して、その翌日から無断欠勤を続けていて、今はここにはおりません」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……!」

[メイン2] ブリジット : 「む、無断!?!?」

[メイン2] ブリジット : 信じられない、といった顔をする。

[メイン2] 会社員 : ブリジットの言葉にこくりと頷いて

[メイン2] ブリジット : 「み、美咲さんはそんなことをするような人じゃ……」

[メイン2] 会社員 : 「はい。こちらもそのようなことをする人物ではないと存じているのですが、現実に無断欠勤を続けていますので」

[メイン2] ブリジット : 冷や汗が、つぅ、と頬を伝っていきながら。

[メイン2] ブリジット : 「……で、でしたら、何かお悩みが、とか……!!」

[メイン2] ブリジット : 「15日までの美咲さんの職場での状況とか、どうでした!?」

[メイン2] ブリジット : カウンターに乗り出すように、会社員に迫りながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ぶ、ブリジット……」
その様子を宥めるようにしながら、会社員の方を見る

[メイン2] 会社員 : 「どう…と言われましても…」
「あっ…でも…」
少し考えるようなそぶりを見せて

[メイン2] ブリジット : 「………!」

[メイン2] DL : <*交渉>、<社交術>、<魅了>などが振れますね

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット : 2DM<=8 〈魅了〉 (2DM<=8) > [6, 1] > 3 > 成功数3 トリプル

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット : 「ちゃらららーん」
マジックでよくかかるBGMを口にしながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……!?」

[メイン2] ブリジット : そして、秘密子の方を見て、ウインク。

[メイン2] 夢野 秘密子 : お主……し、仕方ないのう……

[メイン2] ブリジット : 「……これから少しお見せするのはですね~
 まだまだ世に出せない、開発段階の、手品です!」

[メイン2] ブリジット : 「いわば……"機密情報"!」

[メイン2] ブリジット : 秘密子のアイコンタクトを受け取って、嬉しそうな顔をしながら。

[メイン2] ブリジット : 「……ウチは、どうしても美咲さんのことが心配で、気になるんです
 でも、それだけじゃ、会社の情報をウチ達みたいな
 フリーランスの人間に流すのは、きっとリスクなことなんです、なので!」

[メイン2] ブリジット : 「ウチ達はウチ達で、"特別"な手品をお披露目します!」

[メイン2] ブリジット : 「お互いに……漏らしちゃいけない情報を、教え合う!
 ………それで、ダメ、ですかね?……」
会社員の顔を見て、困り眉ながらも、小さく笑って。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……。」
「ウチからも頼む。こやつ、こうなったら止まらんが……其奴を思う気持ちは本物じゃ」

[メイン2] 会社員 : 「小林さんと特別仲が良かった人がいて、『柴田 智也(しばた ともや)』という人なのですが、その人なら何かご存じかも知れません」
「連絡先を教えてもらっているので、私からはこれ以上は…」

[メイン2] ブリジット : 会社員の言葉に、にこり、と笑って。

[メイン2] ブリジット : 「ありがとうございます、では、おひねりとして……」

[メイン2] ブリジット : ちらりっ!と秘密子ちゃんの方を見る。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……!? なんでウチなんじゃ!?」

[メイン2] ブリジット : 「いいじゃないですか~♪」

[メイン2] ブリジット : うりうり~、と秘密子の横腹を肘で突っつく。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……え、ええい!やめんか!」
「ウチのことを信用してくれておるのはいいが、本当はそんな突発的にできるものじゃないんじゃからの!?」

[メイン2] ブリジット : その通りであった、ブリジットは秘密子の腕を買っていた。
100%信用していた。だからこそ、甘えている側面もあり。

[メイン2] ブリジット : 「ふっふっふ~、秘密子ちゃんは盛り上げ上手ですね~」
目を細め、にやりと笑いながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「盛り上げたのはお主じゃろ、ブリジット……まあよい」

[メイン2] 夢野 秘密子 : はぁ……とため息をつきながら、会社員の方を向いて。
「協力感謝するぞ。じゃが……こやつの言、ひとつだけ訂正させてくれ。」
「お主がこれから目にするのは、"手品"でも"マジック"でも無うて……」

[メイン2] 夢野 秘密子 :

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「────"魔法"じゃ!」

[メイン2] 夢野 秘密子 :

[メイン2]   : ぼわん、と空中で帽子が一回転したと思えば、中から大量の──白い鳩。
刹那、秘密子の姿が消える。

[メイン2]   : 同時に、ブリジットの姿も、そこには無かった。

[メイン2]   : 受付前にいた二人の奇術師コンビは、影も姿も、そこに無くなっていた。
あるのは─────カウンターに置かれた、一枚の置き手紙のみ。

[メイン2]   : 『Magic。いかがでしたか?
 意味は、手品とも、魔法とも、どちらとも取れます
 どっちで捉えるかは、あなた次第!ということで』

[メイン2]   : 『情報、ありがとうございました~!
 このMagic、まだSNSに投稿しちゃダメですからね?』

[メイン2]   : どこで書いていたのやら、そんな書き文字が残されていた。

[メイン2]   : 鳩も、いつの間にか消えていた。

[メイン2]   :  

[メイン2]   :  

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット : そして、柴田さんという方の連絡先へ電話をし
美咲さんがずっとおうちにも、会社の方にも顔を出していないという情報を
伝えると、直接話がしたいとのことで……。

[メイン2] ブリジット : 今、こうして待ち合わせ場所に、二人の奇術師がいた。
姿は二人とも、この現代日本にとってはとても目立つ格好であり
ある意味で、ランドマークになっているようなところがあった。

[メイン2] ブリジット : 「見られてますねっ!」

[メイン2] ブリジット : 辺りをキョロキョロと見渡しながら。
場慣れしたような感想を漏らす。

[メイン2] ブリジット : 時折、子ども達と目が合っては優しく微笑んで手を振って。
ヨーヨーの技巧を見せていたりなどしていた。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「当然じゃ。ウチに十分なマナが残っておったなら、見物客に魔法でも見せてやるところじゃが…」
そう言って、ブリジットの方を横目で見て。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……ウチに急に無茶振りするのはやめいと言うておったじゃろ……!魔法使いにはマナの配分とか、そういう諸々の事情があるんじゃ……!」

[メイン2] ブリジット : 「うぅぅぅ、で、でもでも!さっきのMagic!
 とーーーっても素敵でしたよ!
 ウチとしては、秘密子ちゃんに頼んで良かったなぁって……
 思ってたりするんですけど……」

[メイン2] ブリジット : ぐすんっ、と鼻を啜りながら。

[メイン2] ブリジット : 「……メーワク、でした?」
ちらっ!と横目で見る。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「む、むぅぅ……」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……こっ、これっきりじゃからな! ……言うてくれれば、お主のために力を振るうことなどわけないわ……」

[メイン2] ブリジット : 「…………!!……秘密子ちゃん……!」
ぱぁぁっ!と顔を明るくさせながら、感動して。

[メイン2] ブリジット : 「うぅぅぅ~~!!どか~~~~~ん!!」
その感情のまま、思いっきり秘密子に飛びつこうとするも!

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ふぇっ……ちょ、やめ……!!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : ……そんな風に騒ぎ立てる様子が、ギリギリのところで当人の目を引いたんじゃろうか。

[メイン2] 柴田 智也(しばた ともや) : 「…あの、美咲の友人というのは、あなたたちですか?」
少し割って入るのをためらいながらも2人に向けて声をかける

[メイン2] ブリジット : 「あっ、その声は……ぶへっ」

[メイン2] ブリジット : 待ち人がやって来たため、青年の方へと顔を向けるブリジットだったが。

[メイン2] ブリジット : ちょうど角度が悪かったのか、秘密子の肘が、ブリジットのほっぺにぐにゃりと。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ぐひゅっ!?!!?」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 抵抗しようと無我夢中に振った肘の先に、柔らかい感触。

[メイン2] ブリジット : \デストロォーイ!/

[メイン2] ブリジット : K.O.

[メイン2] ブリジット : ブリジットはダウンした。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ぶ……ブリジットぉーーー!?!!?!?」

[メイン2] 柴田 智也(しばた ともや) : 「………」

[メイン2] 夢野 秘密子 :

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………で、こっちの一際賑やかなんがブリジットじゃ」

[メイン2] 夢野 秘密子 : さっきと紹介役を代わって、不安そうにブリジットの方を見る。
……まともに話ができる状態でもなかったし、近くの喫茶店に移っていた。

[メイン2] ブリジット : 「え、えへ、へへ……ど、どうも、です……」
顔を青くしながらも、なんとか笑顔を作って、柴田さんにご挨拶。

[メイン2] ブリジット : ぎこちなく、手を振って。

[メイン2] 柴田 智也(しばた ともや) : 「…美咲にこんな友人がいたなんて…」
少し驚いたような顔をしながら

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「何じゃ……意外か?」
「……実際、ウチらはウチらの前の美咲のことしか知らん……それで、お主にウチらの知らん話を聞きたいと……まあ、そういうことじゃ」

[メイン2] ブリジット : 「………んん」

[メイン2] ブリジット : ぐったりとしながらも、ブリジットは思考をする。

[メイン2] ブリジット : 言われてみれば……ウチは、美咲さんと出会って
まだ間もなくて……あんまり、美咲さんのことを、知らない?

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「(…………大丈夫か、ブリジット…?)」

[メイン2] ブリジット : じぃぃーっと、柴田さんを見て。

[メイン2] ブリジット : そして、心配そうな目を向けてくれる秘密子ちゃんに気が付き
にこっ、と微笑むとまた、飴玉を取り出して、唇に押し込みつつ。

[メイン2] ブリジット : 「(ご心配、ありがとうございます♪)」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「むぐっ…」

[メイン2] ブリジット : 「……急に美咲さん、いなくなっちゃったんです
 その理由は、ウチには今のところ分からなくて……
 何か、嫌なことがあったのかなって……」

[メイン2] ブリジット : 「だから、ウチ達よりも昔から縁のあった柴田さんに、と
 ………いかがでしょうか?」

[メイン2] ブリジット : なでなでと、隣に座っている秘密子の頭を撫でながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : ブリジットの話に頷いて、同じく柴田の方に向き直る。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ん……」

[メイン2] 柴田 智也(しばた ともや) : 「俺も15日の夕方に美咲から居酒屋へ行こうって誘われて、その連絡を最後に彼女とは連絡がついていないんです」

[メイン2] 柴田 智也(しばた ともや) : 「何時間か待っても姿を現さずに、俺何か嫌われることしちゃったのかなって思ってたのですが、まさか、失踪してたなんて…」

[メイン2] ブリジット : 「………柴田さん……」

[メイン2] ブリジット : 同情するように、共感するように、声を漏らしながらも。

[メイン2] ブリジット : 「……あの、本題とは全然違うことなんですけども
 少し、余計なことを聞いても、いいです?
 その……美咲さんと、柴田さんについて、なんですけど」

[メイン2] ブリジット : 「お二人は……どういう仲で?」

[メイン2] 夢野 秘密子 : (……15日の夕方。先の会社員の言とも一致するのぅ……)

[メイン2] ブリジット : チュゥゥ。と、冷たいオレンジジュースをストローで飲み
姿勢の関係上、上目遣いのような姿勢になりながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : (……!)
(お、お主……直球じゃのう!?)

[メイン2] 柴田 智也(しばた ともや) : 「…恋人…って言うのは彼女に申し訳ないかな。ぜんぜんそんな関係でもないし、ただ、友達以上の関係とは言えます」
恥ずかしげにしながらも、後半の言葉は真剣に

[メイン2] ブリジット : 「……………ふふ」

[メイン2] ブリジット : 柴田の顔が少し綻んだのを見て、ブリジットも微笑む。

[メイン2] ブリジット : 「そういうの、いいですね ね?秘密子ちゃん」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………。」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……はっ!? な、なんでウチに振るんじゃ!?」

[メイン2] ブリジット : 「ありゃりゃ~?もしやもしや……ハッ!
 まだ秘密子ちゃんには、お早い話で……!?」

[メイン2] ブリジット : 少し冗談交じりのような口調で
場の雰囲気を少しでも和ませようと。

[メイン2] ブリジット : きっと、柴田さんは今もなお安心できない心境だ。

[メイン2] ブリジット : 美咲さんという、想い人が今……ずっと、行方不明になってしまっているのだから。
気が気でないのは、当たり前だろう。
だからこそ、ブリジットは、人を喜ばして日銭を稼ぐ芸人として、少しでも貢献しようと。

[メイン2] ブリジット : 道化を演じるようにして。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ば……馬鹿にするでない! ウチは……こう、魔法の制約的なアレで……た、たまたまそういう経験がないだけじゃ!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : ぽかぽか、と軽くブリジットの肘を叩く。

[メイン2] ブリジット : 「ほっほっほっほ~!」
おじいさんみたいに、愉快そうに笑う。

[メイン2] ブリジット : 「あ、ちなみに柴田さん、ウチは美咲さんとは
 "そういう"のではないので、ご安心ください!」

[メイン2] ブリジット : 柴田にウインクをして、にこりと笑う。

[メイン2] 柴田 智也(しばた ともや) : 「…あはは。わかってますよ」
冗談っぽく笑って

[メイン2] 夢野 秘密子 : ……こほん。
「あ……ウチもじゃ。戻ってきたら大切にしてやるんじゃぞ」

[メイン2] ブリジット : 柴田の強張った表情に、笑顔が見えて。
ブリジットもつい、嬉しくなって、微笑み。

[メイン2] 柴田 智也(しばた ともや) : 「…はい」
秘密子にこくりと頷いて

[メイン2] ブリジット : 「……そうとなりましたら、もうこれは!
 とことん!捜索をしなくちゃ─────ですね!」

[メイン2] ブリジット : 「柴田さん!ご協力、お願いできますか?」

[メイン2] 夢野 秘密子 : ……しっかりしとるのう。美咲はこういうのが好みじゃったんじゃろうか……

[メイン2] ブリジット : 気合を入れるように、軽く拳を握りながら。

[メイン2] 柴田 智也(しばた ともや) : 「もちろんです!むしろ、こっちの方がお願いしたいくらいで…」

[メイン2] ブリジット : 「ふふふ、もっちろんです!
 ……ウチは、悲しいことを悲しいことのまま終わらせるのは
 やっぱり……嫌だから」

[メイン2] ブリジット : 少し表情を、どこか遠くを見据えるような、そんな形にしつつも。
すぐに、明るいいつものブリジットに戻って。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「Win-Winというやつじゃな。ありがたい限りじゃ」
言いつつ、ブリジットの方を少し心配そうに。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……お主。ウチらに声を掛けたからには、秘め事は無しじゃぞ」
「ウチらも美咲を見つけたい気持ちは同じじゃし、悲しさを一人で抱えるんは割に合わん……それに」

[メイン2] 夢野 秘密子 : ぽん、と指を鳴らしたと思えば……手の中に、小さな蒲公英が。
「言ったはずじゃ。ウチの笑顔は人を笑顔にするためのもの……」
「お主のために力を振るうことなど、わけないわ」

[メイン2] ブリジット : 「………!」
鮮やかな手捌きに、隣で目を大きく開いて驚き。
おぉぉ~~!と、賞賛の声も漏らす。

[メイン2] 夢野 秘密子 : にこり、とブリジットに小さな笑みを向けたのち……柴田の方を向いて。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……どうじゃ? ウチらの奇術とお主の美咲を愛する気持ちがあれば百人力じゃ」
「そうと決まれば、これ以上面倒ごとにならんうちに……早いところ向こうと落ち合って、現状確認するとするかの」

[メイン2] ブリジット : ─────その時、メールが届く。

[メイン2]   :  

[メイン2]   : 『〇〇の交差点には行くな』

[メイン2]   :  

[メイン2] ブリジット : ふっ、と笑って、画面を閉じる。

[メイン2] ブリジット : 「……ええ、行きましょう!」

[メイン2] ブリジット : 夏目くん、一人でなんでもかんでも背負うのは、ダメですよ?

[メイン2] ブリジット : 「場所は─────」

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット : そして、奇想天外で天地がひっくり返ってしまうような
そんな激動の一日が、幕を閉じました。

[メイン2] ブリジット : 生贄に選ばれてしまっていた方々は、中田さんに保護され
警察の同行の元、無事にそれぞれおうちに帰ることができたみたいです。

[メイン2] ブリジット : ウチは、とってもホッとしました。
美咲さんは、この件について何も覚えていないらしくて
ウチとしても、知らなくてもいいことは、この世にはあると思っているので、それでいいと思いました。

[メイン2] ブリジット : でもウチは─────せめて、消えてしまった命の想いだけは、ずっと覚えていようと。

[メイン2] ブリジット : 「よしっと!」

[メイン2] ブリジット : ぱしりと、頬を叩いて、朝日を見上げる。
時刻は早朝6時であった。

[メイン2] ブリジット : 気持ちのいい冷たい風を受けながら、ガラガラとキャリーバッグを転がす。
そう、ブリジットは旅出の支度を整え終わっていており。

[メイン2] ブリジット : 暫く住んで、馴れたこの街から離れ、また違う新天地へと向かおうとしていた。

[メイン2] ブリジット : 「ウチは、もっとたくさんの世界を見なくちゃ、ですからね」

[メイン2] ブリジット : 心地よさそうな顔で、空を見上げながら。

[メイン2] ブリジット : 「……夏目くん、ごめんなさい、置き手紙は置いておきましたけど
 お別れは……ウチ、直接言葉で言うの、寂しくて……」

[メイン2] ブリジット : 「………秘密子ちゃん」

[メイン2] ブリジット : 少し萎れた顔で、そうぽつりと漏らし、とぼとぼと進んでいると。

[メイン2] : 「……んぁ。」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 聞き馴染みのあるだらけた声が、それに呼応するように……目の前で返事をする。
「──どうしたんじゃ、ブリジット、こんな早朝に」

[メイン2] ブリジット : 「…………………」

[メイン2] ブリジット : その姿を見て、しばらく固まり。

[メイン2] ブリジット : 「………へっ……!?!?」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「なんじゃ、人の姿を見て幽霊みたいに!」

[メイン2] ブリジット : 「うぇえええええええーーーっ!?!?!い、いえ!!
 だ、だって!ウチ!この時間帯に……!!!
 みんなと、顔が合わない時間に、出ようって思ってて……!!」

[メイン2] ブリジット : あわあわと慌てながらも、どこか秘密子と会えて、嬉しさが顔に現れていた。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「んぁ……ウチにもよくわからんのじゃが、ただ……ウチはなんとなく胸騒ぎがしての。マナの知らせ、といったところじゃろうか」
にこりと首を揺らして、とん……とブリジットの隣で歩調を合わせ。

[メイン2] ブリジット : 「……!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……それより、どういうことじゃ……『みんなと顔が合わない時間に出る』じゃと?」

[メイン2] ブリジット : 「うぅっ……!」
バツの悪そうな顔になりながら。

[メイン2] ブリジット : 「………だ、だって……だって……」
俯きながら、眉を顰めて。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………。」
横顔を見つめながら、言葉を待つ。

[メイン2] ブリジット : 「……ウチは、色んな世界を旅して、色んなことを知って
 大道芸人として、立派になって………」

[メイン2] ブリジット : 「……だから、いつかは、この街から出なくちゃ、いけなくて……」

[メイン2] ブリジット : 「でも………」
涙目で、秘密子を横目で見て。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……!」

[メイン2] ブリジット : 「………こうして秘密子ちゃんと会っちゃうと、うぅぅ~~~!」

[メイン2] ブリジット : 「やっぱり離れたくなくなっちゃうんです~~~~~~~……!!」

[メイン2] ブリジット : 甘えるように、秘密子に抱き着く。勢いのまま。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「ふぎっ……」
「わ、わかった……わかったから、一旦……ぐ」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 虚弱なウチの身体が当然耐えられるはずもなく。
そのまま……ふらふらと、二人で倒れ込む。

[メイン2] ブリジット : 「どひゃああ~~~んっ!!」

[メイン2] ブリジット : 秘密子に覆い被さるような形で倒れる。
なんとか地面に頭をぶつけさせないように、咄嗟に手を出す。

[メイン2] ブリジット : 秘密子の頭の後ろに、ブリジットの白く、それでいてやや筋肉質な手が。

[メイン2] ブリジット : そして、重力に沿うように、ブロンド色の横髪が
秘密子の顔の横に凭れる。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………っ……!?」

[メイン2] ブリジット : 「あ、あいたたた……!ご、ごめんなさい!大丈夫でしたか!」

[メイン2] ブリジット : じっと、至近距離で秘密子を見つめる。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……な、慣れっこじゃ……が……」
……なんじゃ……ブリジット、こんなに逞しかったか……?

[メイン2] ブリジット : 返答に、ほっとした顔して。

[メイン2] ブリジット : そして、にこりと笑う。

[メイン2] ブリジット : 「それなら、良かったです」
涙目で、それで笑顔で。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………。」
少し考える素振りを見せて。

[メイン2] 夢野 秘密子 : ゆっくりと、ブリジットの方に近付くように……手を添え返す。
「……じゃが……ウチも、たるんでしもうたな。」
「……お主がここから離れるなんて事実には……慣れとうない」

[メイン2] ブリジット : 「………………!!!」
秘密子の手が触れられ、温かさに、じんわりと心が温かくなり。

[メイン2] ブリジット : 「ひ、秘密子……ちゃんっ………!!」

[メイン2] ブリジット : 感動のあまりに、唇を噛みしめながら。

[メイン2] ブリジット : 「………………。」
眉を顰め、何かを考えながら……そして、意を決したように。

[メイン2] ブリジット : 「……………あ、あの、それなら……秘密子ちゃん」

[メイン2] ブリジット : 「少しだけ……ウチのワガママを聞いてもらっても、いいですか?」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……。」
小さなまばたきを、肯定に代える。

[メイン2] ブリジット : 「………えへへ」
言葉で交わさずとも、意思が伝わって、嬉しくなって笑い。

[メイン2] ブリジット : 「………秘密子ちゃん、その、ウチ」

[メイン2] ブリジット : 秘密子の手を、優しく握って。

[メイン2] ブリジット : すぅぅ……と、静かに呼吸をし。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……ぁ」

[メイン2] ブリジット : 「…………一緒に」

[メイン2] ブリジット : 「……ウチと、一緒に……旅を、してほしいんですっ!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「………………!」

[メイン2] ブリジット : 「そ、その!!……色々メーワクかけるかもですし!
 それにきっと、今よりもちょっぴり、ビンボーな暮らしに
 なってしまうかも、ですが………」

[メイン2] ブリジット : 握った手に力を入れ。

[メイン2] ブリジット : 「……でもっ!必ず幸せにします!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……!??」
「……なっ、なんじゃそれは……! ウチにプロポーズでもするつもりか!?」

[メイン2] ブリジット : 「うぇえぇえええぇぇええぇっ!?!?プ、プロポ……!!!」
ど、どうしましょう!!う、うぅぅうっ!!
でも、ここでNOって言ってしまったら、断られてしまうかも……!?

[メイン2] ブリジット : 「そ、そうです!!!!」
少し顔が朱に帯びながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「!?!!?!?」

[メイン2] ブリジット : ドキドキドキドキドキドキ!

[メイン2] 夢野 秘密子 : ……すぅ、はぁ……と、少しずつ心を落ち着ける。
「…………。 お主はいい奴じゃな、ブリジット。」

[メイン2] ブリジット : 「ぅっ………」
しどろもどろになりながら。

[メイン2] ブリジット : ……うぅぅ、失敗してしまったかもしれません。

[メイン2] ブリジット : しょんぼりとしながら、秘密子の話の続きを、しっかりと聞こうと。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………。」
一言一言、考えるようにして。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「お主が立派な大道芸人になろうとしとるのも……村のためじゃったろ」
「……。離れとうないってウチの我儘を、自分の我儘にして……ウチのためを想って、そう言ってくれたんじゃな」

[メイン2] ブリジット : 「……………っ……!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……じゃから。ウチのために、立派なお主までこれ以上重荷を背負う必要は──」

[メイン2] ブリジット : 「─────重荷なんかじゃありません!!!!」

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット : そう叫ぶと、覆い被さっている秘密子の体を、ひょいっと持ち上げる。

[メイン2] ブリジット : そして、お姫様抱っこのような形となり。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……!!?」

[メイン2] ブリジット : 「秘密子ちゃんは、そんなのではありません!!」

[メイン2] ブリジット : 「……秘密子ちゃんに来てほしいのは、秘密子ちゃんのためだとか
 そんなこと、考えもしませんでした!!!
 ……ウチは、そんな風に思ってくれる、優しい秘密子ちゃんに
 どこか、惹かれてしまっていたのかもしれません……」

[メイン2] ブリジット : 「……ふふ、"魔法"の虜になってしまったんですよ?ウチ」
くすりと、秘密子を見ながら笑い。

[メイン2] ブリジット : 「なので、これはウチのワガママです
 誰のためでもありません、ウチの……自由な、願いです」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………」
ぽかん、と呆気に取られながら……その話を聞いて。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「…………ブリジット……」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 抱き抱えられた姿勢に、どこか安心感を覚えるように……縮こまる。

[メイン2] ブリジット : そして、体に寄せるように抱きかかえたこともあり
ブリジットの心臓の鼓動は、秘密子に伝わってしまう。

[メイン2] ブリジット : とくんっ、とくんっ、とくんっ、と。

[メイン2] 夢野 秘密子 : …………。
……そういう人を惹きつける魔力で、ウチを虜にしたのは……お主自身じゃろうて。

[メイン2] ブリジット : 「……秘密子ちゃん」
見つめ合いながら。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……ウチを幸せにするんなら、ウチの要求は甘くないぞ。」

[メイン2] ブリジット : 「…………!!!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : ぷい、と照れ隠しに傍を向く。

[メイン2] ブリジット : 「…………えへへへ」

[メイン2] ブリジット : 緊張が放たれ、込み上げてくるのは、一気に……愛おしい気持ち。

[メイン2] ブリジット : 可愛いなぁ、秘密子ちゃんは。

[メイン2] ブリジット : ほっぺを指で突っつこうとしたブリジットであったが
両手が塞がっていることに気が付き。

[メイン2] ブリジット : 「…………………。」
少し緊張した顔で辺りを見渡し、誰もいないことを確認して。

[メイン2] ブリジット : 「…………精一杯、頑張りますね」

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット : ちゅっ。

[メイン2] ブリジット :  

[メイン2] ブリジット : 唇をそっと、秘密子の頬に落としたのだった。

[メイン2] 夢野 秘密子 : …………。

[メイン2] 夢野 秘密子 : ……まったく、しょうがないのう……本当に。

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「……そうと決まれば急ぐぞ!」
「空港の時間に間に合わなくなっても困るからの……ほら走った!」

[メイン2] ブリジット : 「わわわっ!!!そうでした!!!あわわわわわわ!!」

[メイン2] ブリジット : 慌てながら、秘密子を抱えたまま走り出し。

[メイン2] ブリジット : 「………あっ!!言い忘れてました!!」

[メイン2] ブリジット : 「秘密子ちゃん!!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「なんじゃ!!」

[メイン2] ブリジット : にこりと、微笑んで。

[メイン2] ブリジット : 「─────これから、よろしくお願いしますね!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : 「─────うむ……よろしくな、これからも!」

[メイン2] 夢野 秘密子 : ──んぁ。
こういう神隠しなら……悪くないかもしれんの。

[メイン2] 夢野 秘密子 :

[メイン2] 夢野 秘密子 :